7.平屋のススメ(強度編)
高い耐震性を備えた家を建てることは
今や当たり前のことですが、
そのために弊社では「2階建て」ではなく
「平屋」をオススメしています。
というのも、2階建ての家は、
平屋に比べて家のバランスが悪くなりやすい傾向があるからです。
まず2階建ての家は、
2階の壁量に対し2階を支える1階の壁量が少なくなりやすいという特徴があります。
2階にはプライベートルームを細かく区切ってつくるのに対し、
1階には大空間のパブリックスペースをつくるのが一般的だからです。
つまり、2階に柱や壁の数が増えることによって
上からの荷重が大きくなるにもかかわらず、
それを支える1階に柱や壁が少なくなってしまう、というわけですね。
圧倒的に過ごす時間が長いパブリックスペースを明るくしたいという気持ちから
どうしても1階には窓を必要以上につくりやすいですしね。
また、一般的に南には出来るだけたくさん窓をつくり、
逆に北には出来るだけ窓をつくらないようにしていますが、
これも家のバランスが悪くなる原因の一つとなります。
南には壁がほとんどないのに対し北にはたくさん壁が出来るからです。
つまり、南と北の壁のバランスが悪くなってしまう傾向になりがちです。
その上2階建ての場合、2階の南にはベランダやバルコニーを張り出してつくることが多く、
支える壁が少ない南により大きな負荷をかけることに陥りがちです。
✔️2階建てならでは、の制約
それゆえ2階建ての場合、
高い耐震性を維持するために
何らかの皺寄せを飲み込まざるを得ません。
例えば、耐震等級3を取りたい場合、
間取りに何らかの制限が発生することがあります。
せっかくの大空間のド真ん中に柱や壁が必要になる、
南の窓のサイズを小さくすることになる、という感じですね。
また、その制限を飲み込んだ上でさらに「制震装置」も設置しなければいけないかもしれません。
2階建ての場合は、台風の時や爆弾低気圧の時に
強風の影響で家の2階部分がグラグラと揺れやすいし、
トラックや工事車両のような大型車両が通行した時にも
同じように2階部分がグラグラと揺れやすく、
それらを小刻みに受け続けることは耐震金物を緩めてしまう原因となるうるからです。
そのような理由から、可能であるならば「平屋」をおすすめしている次第です。
✔️土地に合わせることが重要!
そして、建てる家を土地に合わせることが
耐震面においてとっても大切なことではないでしょうか。
例えば、交通量が多い幹線道路に面した土地で家を建てる場合、
通行車両の振動の影響を受けやすいため、出来るだけ家の重心を下げて設計しますし、
海に近い場所で家を建てる場合も、日常的に強風にさらされるため出来るだけ重心を低くすべきです。
つまり必然的に「平屋」が有力となってきます。
また、周囲に家が建っていない場所で家を建てる場合も同様です。
更には、建てるお家は立地や近隣環境などにも目を配りつつ検討されると良いと思います。
それでは、、、