3.家づくりの現実
「昔は1500万円〜2000万円ぐらいが住宅ローンの相場だったけど、
この頃は、4000万円ぐらい借りるのが当たり前になってますね。
年収の5倍ぐらいと言われていた融資の限度額も
下手をすれば7倍ぐらいまで貸すこともありますしね。」
先日、とある銀行の方からこのようなお話をお聞きしたのですが、
確かに原材料費高騰の影響もあって
どんどん値上がりする家の価格を考えると、土地から買って家を建てる方は、
自己資金がなければそれぐらいの借り入れになってしまうのかもしれません。
しかし個人的には、たとえ共働き世帯だったとしてもこの予算設定はオススメ出来ません。
返済していくだけで精一杯の状態になる可能性が高いからです。
例えば、4000万円のうち3000万円をベタ払いで、
1000万円を年2回のボーナス払いにし、
35年返済で1.4%の固定金利で銀行から借り入れしたとしましょう。
この場合、毎月の返済は90,392円となり、
年2回のボーナス返済は181,193円となるのですが、
仮に現在の家賃が70,000円だとしたら、
出費が今よりも20,000円も上がってしまうことになります。
また、賃貸では火災保険を自分の家財にのみに掛けておけば良かったのですが、
家を持つと建物本体にも火災保険を掛けることになるし、固定資産税を毎年払わなければいけません。
さらに、家をいい状態で維持していくためには定期的に家のメンテナンスが必要ですが、そのための費用もコツコツと積み立てていかないといけません。
これらを合計すると、毎月約20,000円〜25,000円ぐらいは必要となってくるわけですが、
さて、現在の暮らしよりも一気に40,000円〜45,000円も負担が上がるとしたらいかがですか?
とてもじゃないけど家族で旅行に行く余裕なんて全くなくなってしまうのではないでしょうか。
✔️贅沢な暮らしを諦める覚悟
これは銀行の方が話していたことで私も同感なのですが、
家にこれだけのお金をかけるつもりなのであれば、家以外のことを「ずいぶんと我慢して暮らす覚悟」が必要だと思います。
つまり、贅沢はしないということです。
理由は、子供たちを育てていくためには想像以上にお金がかかるから、
そして、そんな中でも老後に向けて積立もしていかないといけないから、です。
これから35年間、つまり住宅ローンに縛られていくのはちょっと嫌だなーとお考えだとしたら、
家づくりの予算をもっと現実的に考えてみましょう。
もっと踏み込んで言うなら、家づくりの予算を計画する前にこれから必要となるコストを知り、
その備えをしていくために現在の状況を見直すべきだと思っています。
家にかける予算を失敗してしまうと、間違いなく一生かかっても取り戻すことが出来ません。
それどころか不測の事態が起こった場合、家を手放すことになるかもしれません。
なので「みんながそうしているから」という理由だけで、同じような選択をするのはやめましょう。
家を建てることが目的ではなく、家は家族が幸せになるための一つの手段であることを忘れないでください。
それでは、、、